資金決済法

WEBサービスで安定して売上を立てるために、前払式支払手段(「ポイント」や「なんとかマネー」)の採用を検討したい。
サーバ上の記録を前払式支払手段として利用する際、資金決済法の規制を受ける場合がある。
この資金決済法とはどのような法律なのか、規制を受けないためのやり方はあるのか、企業法務に疎いエンジニアが調べてみた。

資金決済法制定の経緯

もともと、商品券やIC型プリペイドカードなど、利用者へ証票等の交付を前提とする手段が「前払式証票規制法」により規制されていた。
一方で、サービスの利用者・提供者がサーバに記録された記録だけに基づいて前払式決済を行う方法について「前払式証票規制法」の規制範囲外だった。
2010年4月、このような支払手段が「サーバ型前払式支払手段」として定義され、新たに「資金決済法」により規制されることになった。

前払支払手段の定義

「前払式支払手段」とは何か。「前払式支払手段」とは以下の4つの要件が全て備わっているものとして定義される。「サーバ型」を想定する文脈が追加されていることがわかる。

  • 金額又は物品・サービスの数量(個数、本数、度数等)が、証票、電子機器その他の物(証票等)に記載され、又は電磁的な方法で記録されていること。
  • 証票等に記載され、又は電磁的な方法で記録されている金額又は物品・サービスの数量に応ずる対価が支払われていること。
  • 金額又は物品・サービスの数量が記載され、又は電磁的な方法で記録されている証票等や、これらの財産的価値と結びついた番号、記号その他の符号が発行されること。
  • 物品を購入するとき、サービスの提供を受けるとき等に、証票等や番号、記号その他の符号が、提示、交付、通知その他の方法により使用できるものであること。

資金決済法の適用範囲

  • 法第3条第1項第1号
    • 金額が記載され又は電磁的に記録されている証票等(度その他の単位に換算されているものを含む)
    • 参考例)商品券、ギフト券、おもちゃ券、お米券等、遊戯カード、テレホンカード、ギフトカード、ネット上で使用できるプリカ
  • 法第3条第1項第2号
    • 物品又は役務の数量が記載され又は電磁的に記録されている証票等
    • 参考例)ビール券、清酒券、清涼飲料ボトル券、カタログギフト券

資金決済法の適用除外

最後にシレっと書いてあるが、6か月で失効させれば適用から除外される

  1. 乗車券、乗船券、航空券
  2. 施設又は場所に係る入場券(併せて発行される施設利用券)
    • 映画、演劇、音楽、スポーツ等
    • 競馬場、競輪場、小型自動車競走場、モーターボート競争場、美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場等
  3. 特定の施設又は場所の利用者が通常使用できる食品券
  4. 1)-3)と同等の機能を有する番号、記号、その他の符号
  • 法第4条第3号
    • 国又は地方公共団体が発行する証票等 (市町村が発行する商品券等)
  • 法第4条第4号、政令第4条第3項
    • 特別の法律に基づき設立された法人等が発行する証等
    • 日本中央競馬会、日本放送協会、地方道路公社等が発行する証書等
  • 法第4条第5号、政令第4条第4項
    • 従業員向け、健康保険組合員向け等の証票等
  • 法第4条第6号、政令第4条第5項
    • 前受金の保全措置が割賦販売法等他の法律で既にとられている証票等(友の会買物券、旅行クーポン等)
  • 法第4条第7号
    • 利用者のために商行為となる取引のみに使用されるもの
  • 法第4条第1号、政令第4条第2項
    • 使用期間が6か月内の前払式支払手段

  

前払式支払手段に該当しないもの

ガイドラインが出ている。3に記載の通り購入のオマケとしてつくポイントは該当しない。6に記載の通りサービス内での仮想的な取引により課金するモデルは該当する

  1. 日銀券、収入印紙、郵便切手、証紙等法律によってそれ自体が価値物としての効力を与えられているもの
  2. ゴルフ会員権証、テニス会員権証、等各種会員権(証拠証券としての性格を有するものに限る)
  3. トレーディング・スタンプ等商行為として購入する者への販売であり、当該業者が消費者への転売を予定していないもの
    • 小売業者が、販売促進のために、商品を購入した顧客に対して購入額に応じて配布するクーポンであり、一定量集めると量に応じた商品などと交換することができる。トレーディングスタンプを利用した販売促進サービスは共通スタンプサービスとも呼ばれ、ポイントサービスの一種に当たる。
  4. 磁気カード又はICカード等を利用したPOS型カード
    • いわゆるデビッドカードのような直接銀行口座から代金を支払う仕組みのカード
  5. 本人であることを確認する手段で、証票等又は番号、記号その他の符号自体には価値が存在せず、かつ、証票、電子機器その他のものに記録された財産的価値と結びつきがないもの
  6. 証票等又は番号、記号その他の符号のうち、証票等に記載もしくは記録され又はサーバに記録された財産的価値が証票等又は番号、記号その他の符号の使用に応じて減少するものでないもの

結論

サーバ型前払式支払手段を採用するにあたり、資金決済法の規制を受けたくなければ、以下を守る必要がある。

  • 価値を6か月で失効させること

実際、追加でチャージした場合に有効期限をどう設定するのか、別途調査が必要。

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