はじめに
オンプレミスでFileMakerServerを配置するのではなく、AWS,Azure,さくらクラウドなどに配置することが増えているためか、FileMakerServerにSSL/TLS証明書をインストールしたいという要望が増えていそうです。
FileMaker社はFMS15,16用に利用可能なSSL/TLS証明書を公開していますが[1]、どれもアメリカ本国の業者であるだけでなく、いわゆる格安証明書がリストされておらず、たかだかイントラ用のアプリのために高額なお布施を積まないといけない状況にあります。
FileMaker社はFMS17用に利用可能なSSL/TLS証明書に関する記述を改めましたが[2]、いずれにせよ、適合するか否かは実験してみる必要があります。
適合しない証明書をインストールすると、「通信は暗号化されているか証明書を検証できない」というおかしな状況が出来上がります[3]。もともとClosedな傾向が強いFileMakerですが、この状況がどういう理由で発生しているのか確認する術がなく、発生してしまった場合に解決が非常に困難です。
日本の格安SSL/TLS証明書をFMS15,16,17にインストールすることができましたので、
本記事ではその事実を紹介します。
まず結論
以下の証明書をFMS15,16,17にインストールできました。
「鍵マーク」は緑色となります。
- さくらインターネットのRapidSSL(DV証明書)
- 1,620円/年
- 中間CA証明書必須
- クロスルート証明書必須
- AWS EC2上 WindowsServer2012 R2 (JPN)
- または Azure上のWindowsServer2012 R2(JPN)
- IISでファイル認証
OS、プラットフォーム、Webサーバはオプションです。他でもOKなはずです。
格安証明書で有名なSSLストアはRapidSSLのファイル認証をやめてしまったので、
RapidSSLをファイル認証で取得できるのはここだけかもしれません。
SSLストアのFujiSSL、ComodoSSL(PositiveSSL)はいずれも入りませんでした。
中間CA証明書、クロスルート証明書がないと、証明書自体のインストールは出来ますが、鍵が「オレンジ色」になります。FMSは中間CA証明書、クロスルート証明書を見ています。
なお、FMSには中間証明書を指定するUIが一つしかありませんので、FileMaker社が指定する方法で中間CA証明書、クロスルート証明書を結合する必要があります。
以下の通り結合し1つのファイルとしておきます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
-----BEGIN CERTIFICATE----- Root certificate -----END CERTIFICATE----- -----BEGIN CERTIFICATE----- Intermediate certificate 2 -----END CERTIFICATE----- -----BEGIN CERTIFICATE----- Intermediate certificate 1 -----END CERTIFICATE----- |