TableuServer認定資格

この記事

Tableau未経験者がTableauを扱う仕事をすることになったのと, 合わせてServer Certified Associate資格の取得が必要になったためいつものごとく学びの軌跡を記録していく.

マルチノード高可用性のための設計を学ぶというモチベ

潰しが効く系ではないのだが, 実際にインストールして設定しようとすると知らなければならないことが並んでいる. 使わないけれど知識として並べてある, という一部のベンダー資格とは違う印象がある. 通常,いきなりマルチノードで高可用性が..とかにはならないはずだがどこかで入門レベルが存在しなければならない. 最小構成/シングルノード構成/マルチノード構成へとスケールできるアーキテクチャになっていることを理解することが結局のところスケールを前提とした入門になり得ると思う.

あるシステムのシステム構成がここまで明らかになっているのも珍しい印象. マルチノードと高可用性実現のため, レイヤやコンポーネントが想像以上に分離していて, スケールさせる際の自由度の素になっている. スケールのための設計をゼロベースで学んだ経験がないため,自分が自作するレベルのシステムのアーキテクチャではここまで分解しないな,というのは当然あったが, 正直かなり設計の勉強になった.

対策

過去問が公開されていたり,公式参考書があったりはしないため,試験のための習得にはなりづらい.
マルチノード化による高可用性を実現するためのアーキテクチャを学ぶ機会と捉えれば,結構モチベになると思う. (そんな人いるんでしょうか..w)

試験のシラバスが項目単位で並んでいる. この項目を自分の言葉で説明できることが当面のゴール.
言葉で説明する深さについては,暗記が不要という難易度調整が入っておりそれほど深くなくてよいと思う.
結果として「ロジックを自分の言葉で説明できること」がゴールになり得る.
個人的な感想を書くと,もはやかなり覚えてしまっている気はする.

当面は「学びの軌跡」。合格したときに「合格体験記」としてまとめなおす.
この投稿を入り口として各詳細を別記事として書いていく予定.
1セクションを1記事として扱い合計4から5記事で詳細を完結する予定.

当面は合格体験記ではなく勉強の記録なので、資格試験合格のために
ここに流入してしまった人は抜けて他読んだ方が学びになると思います.

TableauDesktop

TableauServerはTableauDesktopで作ったワークブック等をサーバ上で共有する仕組みであることから, 多くの記述においてTableauDesktopの知識が前提となる.TableauDesktopで一通り何ができるかを学んだ方が良い.ポチポチで全てやれちゃう範囲と深さがあればTableauServerの理解には不足ないと思う.

試験の概要

Server Certified Associate試験の概要は以下の通り。
合格基準が75%。ベンダー資格としてはこんなものか、若干高いかも。
択一だけでなく多肢選択も含まれるので、結構落とせない。

問題数80問に対して90分。問題多い。合格体験記を見る限り時間が不足しがちな試験。
試験範囲に以下みたいな記述がある。難易度の調整パラメータかな。

組織は、タスクを効果的かつ効率的に遂行することを、当然のように従業員に期待するようになりました。Tableau は、時間が成功に欠かせないコンピテンシーであると考えており、そのためこの試験にも時間制限が設けられています。

Tableau ServerはLinux,WindowsServerいずれのインストールも対応しているが試験はWindows。
個人的にはLinuxが良いのだけど仕方がない。OS違うのに試験同じにできるのかね..。

オンラインヘルプが参照可能。だが時間無いので記憶の照合くらいにしか使えなさそう。
どこに書いてあるかを記憶しておくことが必要。

Tableu資格の特徴は, 試験開始までの準備でリモート先の試験官と英会話が必要なこと。
提供言語として日本語が用意されているが,これは問題が日本語であるということ.

  • 試験時間: 90 分
  • 合格基準: 正答率 75%
  • 問題数: 80
  • 得点: 自動採点
  • 設問形式: 択一、複数回答、正誤
  • 提供言語: 英語、日本語、中国語 (簡体字)、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語 (ブラジル)、スペイン語 (インターナショナル)
  • プラットフォーム: Tableau Server がインストールされた Windows 仮想マシン
  • オンラインヘルプ: 参照可能

Readingはそこそこ問題ないのでこっちは良いのだけど,試験官とSpeaking/Listeningとか不安。
試験本体までのやりとりは以下のような感じらしい。むー。

  1. 試験官にweb電話をかける
  2. ガイダンスが始まる
  3. web通話環境に問題ないことの確認が入る
  4. 本人確認:受ける試験が正しいか、パスポートをwebカメラに見せて欲しい,etc
  5. 環境確認:PCは充電器に接続されているか、部屋に一人でいるか、机の上を見せて欲しい、途中退出はダメ,etc
  6. リモートで指定されたPC環境にログインされ試験開始

なんとか試験本体までたどりつかないと。
ここから先は普通のベンダー試験。

試験範囲

記事執筆時点の試験範囲は以下。
評価するスキル

準備セクション。全体の20%。把握するためにペタペタ貼っていく。
ところどころ,当製品と関係ない一般的な知識が書かれているな..。


ユーザーエクスペリエンス
 - ユーザーインターフェイス
 - ナビゲーション
トポロジ
 - クライアントコンポーネントを特定する
 - サーバーコンポーネントを特定する
 - 連動する仕組みを説明する
バージョン
 - 以下を理解する:
   - Tableau Server の現行バージョンを特定する方法
   - Tableau Server の最新リリースをどこで入手できるか
   - Tableau Server のリリースノートをどこで参照できるか
ハードウェア最小要件
  - 以下を理解する:
   - RAM 要件
   - CPU 要件
   - ハードディスク要件
ソフトウェア要件
  - サポートされるオペレーティングシステムを列挙する
  - 以下を理解する:
    - ブラウザ要件
    - メールアラートのオプション
    - ウィルス対策の懸念事項
  - SMTP サーバーを特定する
  - 起こりうるポートの問題を知る
  - 専用サーバーの目的と利点を説明する
  - クラウドで稼働させる際の検討事項を特定する
ライセンス発行
  - ユーザーベースライセンスを理解する
  - 異なるライセンスタイプを説明する
  - ライセンスタイプがどのようにサイトロールにマップするか説明する
サーバープロセス
  - Tableau サービスマネージャーとTableau Serverプロセスをそれぞれ説明する
  - 以下を理解する:
    - インストール直後の既定のプロセス数
    - 複数インスタンスのプロセス
    - プロセス間のワークフロー
    - 分散環境と高可用性環境におけるプロセス
    - ロードバランサーの目的
データソースの特定
  - 必要なポートを特定する
  - 必要なデータベースドライバーを特定する
  - 以下の相違点を理解する:
    - ファイル、リレーショナル、キューブ
    - 抽出とライブ接続
    - パブリッシュされたデータソースの利点を説明する
インフラストラクチャネットワーク
  - ネットワークレイテンシーの意味を理解する
  - 動的 IP アドレスのリスクを説明する

インストールと構成というセクション。全体の25%。
ActiveDirectoryというワードだけで不安になる。
Linux構成が選べるけどWindowsServerを選んだ方が良い気がしてきた。
内容的には妥当な感じ。


インストール
  - インストールの手順とオプションを理解する:
  - インストールパス
  - ゲートウェイポート
  - アイデンティティストアと SSO のオプションを理解する:
   - 外部 (Active Directory) とローカル
   - 信頼できるチケット
   - SAML
   - Kerberos と OpenID Connect
   - 自動ログインオプションの影響を説明する
   - SSL の設定方法を理解する
   - 単一マシン環境のインストールに関する Tableau のベストプラクティスを理解する
   - サイレントインストールを理解する
Tableau Server の構成
  - キャッシュ設定を理解する
  - 以下の方法を理解する:
   - プロセス分散の適用
   - メールアラート/サブスクリプションの設定
   - オプションで行えるカスタマイズの設定
   - 以下を説明する:
     - サイト構成オプション
     - ユーザー数
     - ストレージ容量
     - サイトサブスクリプションの有効化および編集の方法
     - プロジェクト構成オプション
     - グループとユーザーの構成オプション
     - 誰がユーザーを追加できるかを理解する
ユーザーの追加
 - ライセンスタイプとサイトロール
 - 管理者レベル
 - パブリッシャーレベル
 - Active Directory またはローカルを介したインポート
セキュリティ
 - 以下のセキュリティ構成を説明する:
   - サイトレベル
   - プロジェクトレベル
   - グループレベル
   - ユーザーレベル
   - データソースレベル
   - ワークブックレベル
パーミッション
  - 以下を理解する:
   - システムパーミッションの構成
   - パーミッション設計の細部
   - Tableau のセキュリティモデル
   - 許可、拒否、なしの違いを説明する

管理というセクション。全体の36%。
たぶんここが本丸だろう。


以下の方法を理解する:
  - データ接続を維持する
  - スケジュールを作成する
  - サブスクリプションを作成、編集、削除する
  - サーバー分析を実行する
  - バックアップと復元を完了する
  - クリーンアップを実行する
  - ユーザーを追加、削除、非アクティブ化する
  - ライセンスを更新する
  - 起動、停止、再起動する
  - tsm と tabcmd を使用する
  - REST API を使用する
  - ログファイルを処理する
  - 埋め込みを理解する
  - Desktop ライセンスの使用状況を監視する
  - ワークブックとデータソースのリビジョン履歴を管理する
以下の方法を説明する:
  - 複数の方法でサーバーのステータスを確認する
  - メールアラートを確認する
  - データドリブンアラートを設定する
  - 組み込まれた管理ビューを利用する
  - カスタム管理ビューを作成する
  - パフォーマンスの記録を作成する
  - ネストされたプロジェクトを作成する
  - サイトおよびサイト管理者のオプションを扱う
エンドユーザーとシステム管理者の機能の比較
エンドユーザー機能
以下を理解する:
  - 表の推奨
  - ビューとデータソースをパブリッシュする
  - ワークブックの名前を変更する
  - Web でビューを操作する
  - Web 作成と編集
  - ビューの共有方法
  - データソースの認証
  - 抽出のキャッシング

トラブルシューティングというセクション。全体の13%。


ブラウザでのサードパーティ Cookie の要件を理解する
以下の方法を理解する:
  - Tableau ユーザーまたは Tableau 実行サービスアカウントのパスワードをリセットする
  - レポーティング用のログファイルをパッケージ化する
  - tsm を使用してサイトのリソースを検証する
  - 検索インデックスを再構築する
  - メンテナンス分析レポートを使用する
  - サポートリクエストを作成する/開く

移行とアップグレードというセクション。全体の6%。

- アップグレードプロセスを理解する
- クリーン再インストールを実行する方法と理由を説明する
- 異なるハードウェアに移行する方法を説明する
- 後方互換性を理解する

おわり

正直どんな風に聞かれるのかがわからないことが一番やっかい.
オンラインヘルプを参照可能なので暗記する必要はないのだが,
時間を考慮すると覚えておいてオンラインヘルプで確認するというフローが現実的ではないか.

上から順に流していくと気づくことがある.
実際にインストール,セットアップしようとすると知らなければいけないことが並んでいる.
使わないけど知識として並べてある、という他資格とは印象が違う.
あまり潰しが効く技術ではないので,良くも悪くも使い方のガイドとして使うべきだろうと思う.