教養 統計

既知の標準偏差をもとに母平均を推定する

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機械が出力した結果を観測すると、観測結果がある平均値を中心として誤差内に含まれ、
その分布が正規分布を成すことがわかる。
既に存在する機械の誤差(標準偏差)は既知であり、
既知の標準偏差を使って、母平均を予測することができる。
予測の仕方は、95%信頼区間を使う。

母平均を推定する例

ドリンク製造装置があったとする。
このドリンク製造装置は標準偏差=12の誤差でドリンクを製造できる。
ドリンクを36個製造したとき、ドリンクの量の標本平均が370mlであった。

母集団が、母平均\(\mu\)、標準偏差\(\sigma\)の正規分布である場合、
母平均の95%信頼区間は、
\begin{eqnarray}
-1.96 \leq \frac{x-\mu}{\sigma} \leq 1.96
\end{eqnarray}

この母手段から、\(N\)個の標本を観測したなら、
標本の分布は、標本平均\(\mu\)、標準偏差\(\frac{\sigma}{\sqrt{N}}\)の正規分布となる。
標本平均の95%信頼区間は、
\begin{eqnarray}
-1.96 \leq \frac{\bar{x}-\mu}{\frac{\sigma}{\sqrt{N}}} \leq 1.96
\end{eqnarray}

今、\(N=36\)、\(\bar{x}=370\)、\(\sigma=12\)なので、
それを入れてみる。

\begin{eqnarray}
-1.96 \leq \frac{370-\mu}{\frac{12}{\sqrt{36}}} \leq 1.96 \\
-1.96 \leq \frac{370-\mu}{2} \leq 1.96 \\
-3.92-370 \leq -\mu \leq 3.92-370 \\
366.08 \leq \mu \leq 373.92
\end{eqnarray}

母平均が棄却されない区間は、\(366.08 \leq \mu \leq 373.92\)となる。
標本の数\(N\)が増えれば増えるほど95%信頼区間が狭くなっていき、
母平均をドンピシャで当てる確度が上がっていく。

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